平成26年度伊奈町一般会計歳入歳出予算に賛成する討論
平成26年3月、本会議

議席番号13番、民主党の青木久男でございます。
 私は、第8号議案 平成26年度伊奈町一般会計予算について、賛成の立場で討論を申し上げます。
 厳しく長い経済不況の中、幾分回復の兆しは見えはするものの、先日のスペイン同時列車爆破事件に例のアルカイダが関与しているのではという憶測に、ニューヨーク株価が大きく値を下げ、日本もそれに連動して軟調に転じるなど、まだまだ不透明部分が多く、本格的な景気回復にはほど遠いものがあります。
 この一説は、野川町長が誕生する2か月前の平成16年3月議会で、稲橋前町長提出の平成16年度一般会計予算に対する私の賛成討論の冒頭でした。あれから10年たちました。国のほうは小泉内閣から数えて現安倍内閣まで8回の首相交代がありましたが、この間伊奈町では野川町長が引き続き1人で町政を担ってきました。このたびの平成26年度予算は、さきの施政並びに予算編成方針で、ことしは就任以来10年の節目の年ですが、就任以来誰もが安心して安全に暮らせるまちづくりに全力を傾注、粉骨砕身町政に取り組んできたとありますが、私も1議員として、町長の姿勢に大いに賛同しております。
 さて、現在の経済状況はどうでしょう。いまだ本格的な経済回復には至っていません。アベノミクスの効果は、一部大企業では今春の賃上げニュースにもあるように、回復傾向にあるものの、4月からは消費税が3%加算され8%となることから、景気減速が危惧されます。中小の企業にはまだまだ春は遠いというのが現実です。また、アベノミクスの陰の部分もささやかれ始めて、この先の不透明感も出始めています。10年前の私の賛成討論の冒頭部分は、突発的な外国の事件例を除けば、そっくりそのまま引用してもおかしくないほどです。
 このような中、平成26年度伊奈町一般会計予算を見ますと、歳入歳出総額114億3,000万円、前年比10.3%増です。厳しい財政状況の中、補助金や交付税算入のある有利な地方債を活用し、選択と集中による予算編成としています。
 歳入では、町税が53億9,600万円、前年比3.3%増、総額に占める割合は47.2%です。歳入2番手の国庫支出金は消費税率8%への引き上げによる低所得者や子育て世代の負担軽減のための補助金等が加味され、前年比24.1%増、12億6,900万円、構成比11.1%です。3位の町債は公共建物の耐震工事や町道整備と主に将来の投資的経費を賄うもので、12億4,100万円、前年比43.5%増、伸び率で突出していますが、それだけ事業を抱えているということで、妥当なものと考えます。
 歳出の主なものや新規事業で目についたものを挙げます。
 まず、町総合センターの耐震補強工事2億3,300万円があります。公共施設の耐震化ですが、小・中学校の耐震化について、平成11年度、小室小学校北校舎を皮切りに計画的に進められ、平成24年度の伊奈中学校の耐震化工事完了で町内の小・中学校は耐震化率100%を達成、今後はその他の公共施設を計画的に耐震していく予定と思います。本予算では、現在の建築基準を満たしていない昭和56年オープンの総合センターにまず着手し、安全対策を進めていくことになります。
 町道2017号線、いな穂街道の整備事業1億9,200万円があります。いな穂街道は25年度に未拡幅改良部分の1,400メートルのほぼ3割が工事完成し、本年26年度と来年27年度2年がかりでその残りを完成させるものです。
 羽貫駅バリアフリー化工事9,200万円があります。ニューシャトル伊奈線のエレベーター設置は、平成19年に終点の内宿駅、25年の丸山駅に続いて26年度は羽貫駅に設置するもので、残る志久駅、伊奈中央駅にも設置が急がれます。
 また、ことし10月から、県内町村18の団体で進めている町村情報システム共同化推進事業が開始されます。共同化により、今後5年間の運用面で概算1億円の経費削減が見込まれます。
 このほか、同じく10月からパスポートの申請交付事業が住民課窓口でできるようになりますし、旅券の発給事務は住民に最も身近な市町村に事務事業を優先的に配分し、地域における行政の自立的かつ総合的な実施の役割を担えるようにとの県の権限移譲方針を受けたものです。近隣では、平成25年4月の鴻巣市、11月の北本市に続くものです。住民がわざわざ大宮のソニックシティまで行かないで済むので、大変結構なことだと思います。
 さらに、翌年1月からは、たばこ税を除く町税と国民健康保険税が全国のコンビニで納税できるようになり、今までの役場や金融機関での窓口払いと口座振替に加えて納税チャンネルが1つふえることになります。コンビニ収納は北本市が平成18年、上尾市、桶川市が21年から実施済みです。近隣と比べて少し遅かったかと思いますが、収税率並びに住民サービスの利便性の向上につながるもので、よいものはよいと素直に評価すべきです。
 医療面では、今年度よりペプシノゲン検査の助成が新たに開始されます。県内では既に8市が実施しており、近隣では鴻巣市に次ぐものとなります。内容は、40歳から60歳までの5歳刻みで、該当者には検査料4,500円ほどのうち500円の自己負担はありますが、胃がんの早期発見等を目指し、町民の健康増進を図ります。また、重度心身障害者医療及びひとり親医療の窓口払いの廃止に向けた準備を進めます。
 私は、以上のほかでも、平成26年度伊奈町一般会計予算の各費目は、いずれも住民福祉のさらなる向上を目指したものであり、高く評価し賛成討論といたします。
 以上です。


 

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